アルツハイマー病を遠ざける「脳の掃除」とは?睡眠との深い関係 

今日は、私たちの将来の脳の健康を左右する
「睡眠とアルツハイマー病の関係」についてお伝えします。

 

認知症と睡眠の「双方向」の関係

認知症と睡眠には、深い関連があることが分かっています。

睡眠不足がアルツハイマー病の発症リスクを高める一方で、
認知機能が低下し始めると睡眠障害が引き起こされるという「双方向」の関係にあります。

実際、もっとも一般的な認知症であるアルツハイマー病の軽度の方の約6割が、
何らかの睡眠障害を抱えているという報告もあります(※1)。

その背景には、睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群など、
様々な睡眠疾患が潜んでいることも少なくありません。

 

深い睡眠が「脳の老廃物」を洗い流す

アルツハイマー病の発症には、
「アミロイドβ」や「タウ」と呼ばれる特殊なタンパク質が
脳内にゴミのように蓄積することが関係しています。

ここで重要になるのが睡眠です。

私たちの脳には「グリンパティック・システム」と呼ばれる機能があり、
睡眠中に脳内に溜まったこれらのタンパク質を排出(お掃除)してくれます。

このお掃除システムは、
深い睡眠(ノンレム睡眠)」の時に最も活発に働くことが分かっています。

恐ろしいことに、
たった一晩徹夜をしただけでも脳内のアミロイドβが増加するという研究報告もあります。

 

9時間以上の長すぎる睡眠には要注意

では、長く眠れば眠るほど良いのでしょうか?

実はそうではありません。

睡眠時間が9時間以上と長すぎる場合、
アルツハイマー病の発症リスクが高い傾向にあります。

これは長く寝ることが悪いというより、
「脳内でアルツハイマー病の初期変化が始まっており、
その影響で睡眠の質が下がり、結果的に長く眠らざるを得なくなっている(過眠傾向)」
というサインである可能性が指摘されています。

 

今日からできること

脳のお掃除システムをしっかり働かせ、
アルツハイマー病を遠ざけるためには「睡眠の質(深さ)」が鍵を握ります。

日中しっかりと身体を動かして日光を浴び、
夜更かしを避けて規則正しい睡眠リズムを作ることが、将来の脳を守る第一歩です。

(※1) 参考:Rongve A, et al. J Am Geriatr Soc. 2010;58(3):480-6.

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