🌞 暑さにやられる前に。“疲れやすい脳”の守り方
Contents
🧠 第1章|暑さと“脳の疲れやすさ”の意外な関係
私たちの脳は、全身のたった約2%の重さしかありません。
ところが、
体全体のエネルギーの約20%以上を消費しています。
つまり、とても“燃費が悪い”臓器なのです。
暑さが続くと、
血流が低下し、脳へ酸素や栄養が届きづらくなります。
さらに、
体温調整のために自律神経がフル稼働し、
脳にも余計な負荷がかかってしまいます。
このダブルパンチによって、
脳は“気づかぬうちに疲れてしまっている”のです。
また、暑さのせいで、睡眠時間が少なくなったり
睡眠の質が落ちてしまい、脳をゆっくり休めることができず
脳が疲れる原因に。
アメリカのObradovichらが行った研究によると
気温が1℃上昇すると、人の睡眠時間は6分減少するそうです。
「夏になるとボーッとしやすい」のは、
気合いの問題ではなく、
脳が“気温に負けている”状態なんです。
🌿 第2章|“脳がバテない”3つの生活習慣
① 冷房より「内側から冷やす」朝の1杯
暑い朝、なんとなくアイスコーヒーを選びがちですが、
緑茶やミントティーなどの“内側から冷やす”飲み物が◎。
緑茶に含まれる「テアニン」には、
リラックス効果があり、
ストレスによる脳の緊張をゆるめてくれます。
2017年NeutrientsでのUnnoらの報告によると
テアニンには、コルチゾール(ストレスホルモン)を抑え、
気分を安定させる効果があるそうです。
② 10分でもOK!「光」と「風」にあたる
朝、少しだけでも窓を開けて風を感じたり、
ベランダで日差しを浴びたりする時間をとってみてください。
光は、脳の覚醒スイッチである「セロトニン」を活性化させます。
風を感じることで、
交感神経がほどよく刺激され、
頭がスッキリする感覚が得られます。
💡「なんとなくやる気が出ない朝」にこそ、5分の“外気チャージ”を。
③ 1日1回、“情報のシャットダウンタイム”
スマホ、メール、ニュース…
現代の私たちは、1日に膨大な情報を脳に詰め込んでいます。
でも、脳にとって「何もしない時間」こそが、最高の休息。
おすすめは、「スマホを見ない5分」。
ただ目を閉じて、深呼吸をするだけでOK。
このとき脳では、
DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)という
“脳の整理整頓システム”が働きます。
📚DMNが整うと、
記憶の定着・ストレスの軽減・創造性の向上などにも効果ありと言われています。
💡 第3章|気をつけたい!夏の“脳に悪い習慣”
夏の間、私たちが無意識にやっている“日常のクセ”が、
実は脳の疲労をどんどん蓄積させているかもしれません。
そこで、
特に注意したい3つの習慣とその理由を、
脳の仕組みとともに詳しく解説していきます。
❌ 1.冷房の効かせすぎ → 血流の低下で“思考力ダウン”
暑さ対策に欠かせない冷房ですが、長時間の“冷やしすぎ”は要注意。
冷気によって末端の血管が収縮すると、
脳(特に前頭葉)への血流も減少してしまうのです。
血流が悪くなると、
脳に必要な酸素やブドウ糖が届きにくくなり、
結果として
「ぼんやりする」
「ミスが増える」
「やる気が出ない」
といった症状につながります。
冷え性の人や高齢者は特にその傾向が出やすいので、
注意が必要です。
🧊【対策】
・冷房は「設定温度より“体感温度”」を意識(目安は26〜28℃)
・1時間に1回、軽くストレッチや手先を温めて血流促進
・首元やお腹は冷やしすぎないよう、薄手のカーディガンを活用
❌ 2.カフェインの摂りすぎ → “ごまかし疲労”があとから襲う
眠気覚ましにコーヒーやエナジードリンクをつい頼ってしまう…。
でも、
カフェインはあくまで“脳をだます作用”であって、
疲労を回復させるわけではありません。
しかも、
脳が「本当は疲れているのに気づけなくなる」ため、
知らぬ間にオーバーワーク状態に。
その反動で、夜にどっと疲れが出たり、睡眠の質が下がることも。
☕【対策】
・1日2〜3杯まで、午後の摂取は15時までに
・「なんとなく」で飲むのを減らす→水やハーブティーに切り替える
・眠気が来たら、“脳が休憩を求めているサイン”ととらえて、小休憩を
❌ 3.夜のスマホ習慣 → 睡眠ホルモンが出にくくなる
夜、寝る前のスマホチェック。
ついSNSを見たり、
動画を見たりしていませんか?
スマホの画面から出るブルーライトは、
睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を妨げます。
ハーバード大学の研究によると
同じ明るさでも、
ブルーライトは他の光(たとえば赤色光)と比べて
メラトニンの分泌を約2倍抑制することが分かりました。
さらに、
ブルーライトへの曝露は
体内時計を最大3時間遅らせることも確認されています。
メラトニンが出にくくなると、
眠りが浅くなり、
脳の“回復タイム”が奪われてしまうのです。
実際、アメリカ国立睡眠団体によると
夜にスマホやタブレットを見る人は、
入眠が遅れたり、睡眠の質が低下する傾向があるそうです。
とくに寝る1時間以内の使用は、
メラトニンのリズムを乱すリスクが高いと指摘しています。
「脳を守る」は、自分をいたわること
暑さによる“脳の疲れ”は、自分では気づきにくく、
放っておくと
「イライラ」
「物忘れ」
「やる気のなさ」
といった不調として現れてきます。
でも、ちょっとした習慣の見直しで、
脳の調子は驚くほど整ってきます。
「自分の脳に、優しくする」
それは、未来の自分を守ることでもあります。
この夏は、
身体だけでなく「脳」もいたわる季節にしていきましょう🌿
もし、他にも試してみて
「こんな脳バテ対策が効果があったよ」
というものがあれば教えてくださいね。