今年の振り返り×脳力アップ!感謝と学びのジャーナリング法
感謝の心がもたらすもの
忙しい毎日を過ごしていると、
なかなか自分の1年を振り返る時間を取ることは難しいと思います。
しかし、脳科学の観点から見ると、
感謝や学びを意識して振り返ってみること はとても重要です。
感謝の気持ちを言葉にすること、
また大変だったこと、挑戦したことを「学び」として言語化することで、
脳はポジティブな回路を強化し
未来に向けた前向きな思考が生まれやすくなります。
実は、感謝の気持ちを言葉で伝えたり、
感謝の気持ちを受け取ったりするとき、
私たちの脳内では、セロトニンやドーパミン、オキシトシンといった
幸福感にかかわる神経伝達物質が分泌されることが分かっています。
心理学者のロバート・エモンズと、マイケル・マッカローが行った有名な実験があります。
Group1:感謝することを毎日ノートに5つ書く(ちょっとしたことでOK)
Group2:何もしない
すると、
「感謝することを5つ書いた」人たちは、「何もしなかった」 人たちより、
人生をポジティブにとらえ、幸福感の高まりを 感じるようになり
睡眠の質が向上、運動量の増加、身体的不調の減少などの 好影響もあった
そうです。
とはいえ毎日続けようと思うと、少しハードルが高く感じるかもしれませんが、
今年一年の棚卸を兼ねて、
まずは今年1年を「感謝」という観点から振り返ってみてもいいかもしれません。
「今年、一番感謝していることは何ですか?」
「誰かがあなたにしてくれたことの中で、特に良かったことを書いてみましょう。」
感謝を言語化することで前向きな気持ちになってきます。
困難な経験や挑戦を「学び」として言語化することの意味
困難な経験や挑戦を「学び」として言語化することは、
自己成長や前向きな思考を促進するといわれています。
言語化することで、
経験を整理し、意味付けを行うプロセスが活性化され、
脳内でポジティブな回路が強化されます。
これにより、将来の困難にも柔軟に対応できる
レジリエンス(心理的回復力)が高まります。
実際、私たちの言葉にはパワーがあることが分かっています。
「プラシーボ効果」という言葉を聞いたことがある人もいるかと思います。
これもいうなれば、言葉の力です。
プラシーボというのは、偽薬のことです。
ある研究で患者に、
①効果がある薬
②実際には効果がないサプリメント(食塩水や砂糖水など)
の2種類を与えました。
ただし重要な点は、
効果がないものを「この薬は効きます」と言葉を付け加えて与えたことです。
予想では、
当然ながら②では効果を発揮しないはずですが、
驚くべきことに、病的改善がみられました。
これは、医師からかけられた「この薬は効く」という言葉による効果です。
これはプラシーボ効果という言葉が定着していることからわかるように
特別なことではなく、
臨床の場でもよく見られる現象です。
では、なぜこのようなことが起きるのかというと
それには、脳の「ミラーニューロン」が関わっているとされています。
ミラーニューロンは、モノマネ細胞とも呼ばれます。
たとえば、
誰かがビールを飲んでいる姿を見ると自分も飲みたくなり、
それまで飲むつもりのなかったビールを飲んでしまう
というのもミラーニューロンの働きによるものです。
とはいえ、
ミラーニューロンは、それほど頻繁に行動を引き起こすわけではありません。
感情の高まりといった、「イメージ」が強まると、
ミラーニューロンの刺激が実際の行動を引き起こします。
そして、実はミラーニューロンは、
イメージだけではなく、言葉とも密接に関わっています。
ミラーニューロンは脳にある言葉に関係する部位(言語中枢)の周辺にあります。
言葉の学習の過程を思い起こしてみてください。
「学ぶ」という言葉の起源が「まねぶ」からきているように
小さいとき、ご両親など周りの大人のマネをするところから始まったと思います。
これはミラーニューロンが言語の刺激を受けたことで起きてきます。
つまり、言葉の良しあしに関わらず、
言語を扱うと、ミラーニューロンにも影響するのです。
そして、ある言葉に強い感動を持つほど、ミラーニューロンは活発に働きます。
その結果、言葉の意図するような感情・意欲・希望が生まれ、
ひいては行動変容が生まれるということです。
つまり、どのようなイメージを持ち、どのような言葉を使うかで
モチベーションやパフォーマンスが変わってくるともいえます。
そう考えると、
困難な経験や挑戦を「学び」として言語化することが
重要だということが分かるでしょう。
「今年、最も成長したと感じた瞬間は何でしたか?」
「困難を乗り越えた経験から学んだことを書き出してみましょう。」
また、来年に向けた一歩を書き出してみましょう。
「来年、叶えたいことを1つだけ書いてみましょう。」
「そのために、最初に何をしますか?」
書くことで目標が明確になり、
脳がそれを実現しやすい状態になります。
今年の感謝と学びを振り返ることで、
あなたの心と脳は新しい挑戦を受け入れる準備ができています。
感謝の気持ちを大切に、次のステップを一緒に踏み出しましょう!