知的好奇心が脳の健康寿命を延ばす
木ノ本景子 2024年7月28日 限定記事
私たち人間の脳は、何歳になっても発達し続けています。
とはいっても、年とともに新しいことが覚えられないということを感じている人は少なくないと思います。
実際、新しく脳の中のネットワークを作り出す力も、歳を重ねるとともにだんだん少なくなっていることが指摘されています。
これは、「知的好奇心」と関係しています。
子どもの頃のワクワクする感じ、何か新しい経験をすることが楽しかったと思います。
それが年とともに新しいことにチャレンジすることが楽しみではなく、めんどくさいことに変わってしまったという方もいるのではないでしょうか?
大人になるにつれて興味の対象が限定されるようになり、他への興味が失われると脳の成長も部分的、限定的になりやすくなるということが指摘されています。
興味がなくなったことで動かさなくなった脳のネットワークは錆びついてしまい、再度動かすのには、動かし続けた時の何倍ものエネルギーを必要とします。
実際、「知的好奇心」が高く、大人になっても新しいことに興味を持ち続けられる人は、常に脳のネットワークを動かし続け、動かしやすい状態に保っています。
何かに真剣に取り組んで来た人は、さらに知識を広げていくことに貪欲で、新しいことも受け入れやすく、さらに興味を広げる機会も得るという好循環をもたらしているのです。
それに対し、「興味」や「楽しい」ことが少ないとストレスレベルが高くなり、動脈硬化や血圧上昇、糖尿病などの病気を引き起こす原因となることがしてきされています。
「知的好奇心」によって生じる「快」「好き」「熱中する」という感情は、記憶力を高めるためにとても重要です。
感情を生み出す「扁桃体」という脳の部位は、
新しく物事を記憶する「海馬」の近くにあり、
「扁桃体」で感じた感情は、「海馬」の働きに大きな影響を与えている
ということがわかっています。
何か新しいことに楽しんでチャレンジしてみるのが脳の健康寿命を延ばすのに重要なのかもしれません。
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