ヘテロクリニック

“なんとなく不調”を感じたら、脳にスペースを 

「なんだかうまくいかない」そんな日、ありませんか?

☔ 集中できない

☔ 朝がつらい

☔ イライラしやすい

☔ 頭がぼんやりする

病気じゃないけれど、なんとなく調子が悪い。


5月のこの時期、

そんな感覚を抱えている方がとても増えています。

その背景には、

「脳の詰め込みすぎ」=余白不足が隠れていることがあります。

 

🧠 脳の“余白”がなくなると、なにが起きる? 

私たちの脳は毎日、

  • 情報

  • 感情

  • タスク

  • 決断
    など、大量の“処理”をし続けています

その量が多すぎたり、休む間もなく流れ込んでくると、
脳は“ごちゃごちゃの机の上”のように詰まり、
本来のパフォーマンスを発揮できなくなってしまうのです。
ワーキングメモリーが容量オーバーになり、
適切に処理できなくなっているということです。

これが、
「理由はないのに疲れてる」
「ちゃんと寝てもスッキリしない」
という“なんとなく不調”の正体かもしれません。

🧠 脳にスペースをつくる優しい3つの習慣

📝 その1. 頭の中を”出してみる”メモ時間

私たちの脳は、

今考えていること・気になっていること・やるべきことなどを、
すべて一時的にワーキングメモリ(作業記憶)で処理しています。

でもこの作業領域には限界があり、
一度に処理できる情報は4±1個程度しかないと言われています【Cowan, 2010】。

▶ メモで「外に出す」=脳の“解放”

頭の中のことを紙に書き出す/言語化することで、

  • 情報や感情を一度“外”に出せる

  • いま何を気にしているのか、視覚的に「見える化」される

  • その結果、脳の中にスペースができて、他のことに集中できるようになる

これは、まるでごちゃごちゃの机の上を片づけて、

仕事に集中できるようにするのと同じです。

実は、書き出すことで、

感情が整理され、ストレスが軽減したり

脳の前頭前野が活性化し、冷静な判断をくだしやすくなる

といわれています。

💡実践法

● 時間:3分だけ(タイマーをセットしてもOK)

● 書き方:とにかく思ったことをそのまま

 例:
 - 今日やらなきゃと思ってること
 - なんだか気になること
 - 今の自分の気分や体調
 - どうでもいいことでもOK(「眠い」「雨降ってる」など)

「うまく書こう」と思わないことがポイントです。

脳の中にスペースをつくるいちばん簡単な方法は、
「考えていることを、いったん紙に出してみる」こと。

書くことは、

思考の整理であり、心の深呼吸でもあるのです。

🧘 その2 「スマホを見ない5分」をつくる

▶ なぜ“見ない”だけで脳が休まるの?

スマートフォンを見る行為は、実は
📲「情報のインプット」+「次に何を選ぶかという意思決定」の連続です。

つまり、

  • 脳は常に判断をしながら

  • 報酬(いいね・通知)を期待してドーパミンが出たり

  • 感情の起伏を受け止め続けている

そんな“絶え間ない刺激”の中に脳がさらされている状態が、

現代人の“当たり前”になっています。

🔬 脳科学で見る「ぼーっとする」ことの重要性

スマホを見ない=何もせずに「ぼーっとする」時間。

このとき働くのが、
脳のデフォルトモード・ネットワーク(DMN)という仕組みです。

▶ デフォルトモード・ネットワーク(DMN)とは?

  • 外界への注意が向いていないときに働く、“脳の内側処理ネットワーク”

  • 記憶の整理、自己認識、感情の調整、創造性の促進に関係する

📖【参考】Raichle et al., PNAS, 2001
安静時の脳は、
外からの刺激がなくても積極的に「内面の整理」を行っていると報告。

💥 スマホ依存と脳疲労の関係

スマホを頻繁にチェックする人は、

  • ワーキングメモリの能力が低下しやすい(Hadlington, 2015)

  • 注意力の持続が短くなる

  • うつ・不安傾向が強くなる傾向がある(Twenge et al., 2017)

といわれています。

特に情報処理力や集中力の高い50代キャリア女性は、
“マルチタスク脳”のままオンとオフの切り替えができず、

知らないうちに疲弊してしまう傾向があります。

🕰 実践のコツ:スマホを見ない「たった5分」のつくり方

  • 朝起きてすぐ:ベッドの中で深呼吸3回、スマホを手に取らない
  • 通勤・移動中:電車の中で1駅分だけ“スマホ封印”して、窓の景色を見る
  • 就寝前:ベッドに入ったら、画面を見ずに今日の感謝を1つ思い出す
📌 ポイント:“見ないための時間”を先に決めておくと、脳が抵抗しにくくなります。
「スマホを見ない5分」は、“脳の換気”のようなもの

情報でいっぱいになった頭を、いったん空にしてあげましょう。


思考も感情も、整理されていくスペースが戻ってきます。

🌿 その3 「やらなくていいこと」を決める

私たちは日々、「やらなきゃ」で頭がいっぱい。


でも実は、

その中には「本当は今やらなくてもいいこと」がたくさん含まれています。

思いきって、「やらないこと」をあえて決めてみる。


それだけで、脳にスペースが戻り、心にも余裕が生まれます。

▶ 本質は“脳の節約術”

現代人の脳は、

毎日35,000回以上の意思決定をしているともいわれています。

中でも50代キャリア女性は、

  • 仕事:優先順位・判断・資料チェック・部下対応

  • 家庭:献立・家事・家族ケア

  • 自分:健康・美容・時間管理

と、

あらゆる場面で“決断疲れ”が蓄積しやすい状況にあります。

🧠 「決断疲れ(decision fatigue)」とは?

  • 判断や選択を繰り返すことで、前頭前野が疲弊する現象

     

  • 疲れると、やる気や集中力が低下し、
    判断ミスや感情の乱れが起こりやすくなる

📖 Baumeister et al., Journal of Personality and Social Psychology, 1998
意思決定が多い日は、

後の行動で衝動的になりやすいという報告も

✅「やらないことリスト」を作るメリット

① 🧠 脳の負荷が減る
“判断しない”で済むことが増えることで、
脳の前頭前野が休まります。
② 🎯 優先度が明確になる 
「やらないことリスト」を作る過程で
自分にとってなにが本当に大切なのかが見えてきます。
③ 🌿 余白が生まれる 
「やらなきゃ」が減ると、心のゆとりが戻ってきます。

✍️ 実践ステップ:「やらないことリスト」のつくり方

📌 ステップ①|“気が重いタスク”を書き出す

例:

  • SNSのチェックを毎日しなきゃ

  • 毎週の掃除を完璧にしないと

  • 毎朝のニュースを全部見ないと

📌 テップ②|「これは今週、やらなくてOK」に〇をつける

それをやらないことリストとしてメモしておくだけでもOK!

たとえば、

・仕事で疲れて家に帰ってすぐに家事をするのがつらいのであれば、

平日は洗濯物をたたまない

・疲れていてもSNSを開いてしまうのであれば、

通知は切って、見る時間を夕方だけにする

📌 ステップ③|週末に振り返ってみる

 意外と「やらなくても問題なかった」が多いと気づけます。

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