記憶障害
認知症の症状として、まず最初に思い浮かぶのが物忘れでしょう。
「新しい物事が覚えられない」ため、ついさっきあったことを忘れてしまいます。
そのため、
- 電話を切ったばかりなのに、相手の名前を忘れる
- 同じことを何度もいったり、尋ねたり、したりする
- しまい忘れ、置忘れが増える
- 財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う
といった症状が出てきます。
とはいえ、年齢を重ねていくと誰しも忘れっぽくなってきます。
加齢による物忘れと認知症による物忘れの違い
脳の老化は30代から始まるとされています。
記憶に関しては、40歳くらいをピークに急激に低下します。
おそらく、若いころと比べると覚えるのが難しくなったと感じる人は多いのではないでしょうか。
私も昔はもっと簡単に覚えられたのに。。。と思うことはよくあります。
では、加齢による物忘れと認知症による物忘れにはどのような違いがあるのでしょうか?
たとえば、本人が物忘れを自覚しているかどうか。
加齢による物忘れの場合は、「最近、忘れっぽくなった」など本人に自覚があります。
ところが、認知症になるとそういう自覚が乏しくなってしまいます(初期のころは物忘れの自覚がある人もいます)。
自分が忘れっぽくなったという自覚がないため、
自分が財布などを片づけたことを忘れたときに、
「どこに片づけたのか忘れてしまった」という発想ではなく、
「誰かに盗られた」という発想につながりやすくなります。
加齢による物忘れでは、体験の一部を忘れるのに対し、
認知症による物忘れでは、体験したこと自体を忘れてしまいます。
たとえば、加齢による物忘れでは、お昼ご飯を食べたことは覚えていてもお昼ご飯に何を食べたのかを思い出せないといったことがあります。
それが認知症になるとお昼ご飯を食べたことすら忘れてしまい、
「まだお昼ご飯を食べていない」と訴えたりします。