ヘテロクリニック

頭も気分もスッキリ!5月の“脳内お掃除”習慣 

なんだかぼんやり…その原因は「脳の散らかり」かも?

5月は連休明けの疲れや、環境の変化が積み重なりやすい時期。


☔「集中できない」

☔「気持ちが乗らない」

☔「頭がモヤモヤする」

   と感じていませんか?

それは、

もしかすると“脳の中が散らかっている”サインかもしれません。

“脳内のお掃除”習慣を取り入れて

スッキリ過ごしてみませんか?

🧠 脳が散らかる3つの原因 

🧩 情報の詰め込みすぎ=ワーキングメモリー(作業記憶)の過負荷

現代人の脳は、メール、SNS、通知、マルチタスクなど、
常に情報の洪水にさらされています。

脳の「ワーキングメモリー」は、

短時間で情報を保持しながら処理する領域ですが、
容量はとても限られており、

平均して4±1個の情報しか同時に扱えないとされています【※Cowan, 2010】。

過剰な情報が入ってくると、

  • 注意が分散する

  • 処理しきれず「頭がパンパン」になる

  • 判断ミスやミスコミュニケーションが増える

といった状態になりやすくなります。

※ワーキングメモリーは、情報を一時的に保持し、処理する脳の機能です。

よく、勉強机にたとえられます。

情報が多いというのは、

下のイラストでいうと、本がいっぱいありすぎて、勉強机に本が置ききれず、

何から手を付けていいのかわからなくなっている状況です。

 

🧩  感情の置き去り =未処理の感情が“脳内ノイズ”になる

忙しさのなかで、

  「イライラ」

  「不安」

  「モヤモヤ」

といった感情を放置していると、
脳の扁桃体(情動処理中枢)が過剰に反応し、

ストレス反応が長引くことが分かっています。

いっぽうで、

感情を言葉にする(ラベリング)だけで、

扁桃体の活動は抑えられ、
前頭前野(思考・抑制を担う部位)が活性化することが実験で示されています。

参考)Lieberman et al., Psychological Science, 2007
「感情を言語化することで脳内のストレス反応が軽減される」

つまり、「感じた感情をそのままにしない」ことが、
脳の負担を軽くし、気分の整理につながるのです。

 

🧩  思考の渋滞=タスク・未決断・雑念の“未処理リスト”が溜まる

私たちは無意識のうちに、
 「やらなきゃ」

 「気になってる」

 「いつか考えよう」

という未完了の思考を抱えています。


これらが脳の中で常に少しずつメモリを消費しており、“思考の渋滞”状態に。

心理学ではこれを「ツァイガルニク効果」と呼び、
未完了なものほど、記憶や注意を引き続ける性質がある

とされています【※Zeigarnik, 1927】。

さらに、脳は「決断」そのものにもエネルギーを使うため、
決められない状態が続くと、

意思決定疲れ(decision fatigue)を引き起こすこともあります

【※Baumeister et al., 1998】。

 

📌 今日からできる!脳内お掃除習慣 3選 

🧹 習慣① 「頭の中のゴミ出し」メモタイム

朝でも夜でもOK。

「いま考えてること・気になっていること」を紙に書き出すだけ

頭の中を“外に出す”ことで、脳の作業領域(ワーキングメモリ)がスッキリ!

🧹 習慣② 「1日1感情」振り返り

その日に一番強く感じた感情を1つだけ言葉にしましょう。

 感情にラベルをつけることで、

脳の感情中枢が落ち着き、ストレス反応が減ることがわかっています

【※Lieberman et al.,  Psychological Science, 2007】。

🧹 習慣③ 「画面を見ない5分間」

1日5分だけ、スマホやPCを手放して、ぼーっとする時間を。

脳の“デフォルトモードネットワーク”が働き、

記憶の整理や創造力の回復につながります。

※デフォルトモードネットワークとは、

ぼーっとしている時や特に何にも意識を向けていない時に活性化する

脳内のネットワーク です。

自己認識、共感、回想や計画、意思決定に関係するとされています。

 

まとめ

🌸5月は脳を整えるチャンス

季節の変わり目は、

無理に頑張るよりも「整える」ことが大切です。


毎日ちょっとずつ、

“脳にスペースを空ける”習慣を取り入れてみてください。

頭がクリアになれば、気分も自然と前向きに。
この5月を、もっと心地よく過ごせますように🌿

🗒 ワンポイントまとめ

「脳が整うと、心も整う」——思考も感情も、まずはお掃除から
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